中国奥地紀行、気になったこと等々

たとえば、杭州のこんな描写がよかった。当時の雰囲気を伝えてくれる。

杭州とその近隣にある物はすべて絹織物を連想させる。この付近の田舎では、至る所でクワの木を見かける。水路沿いであれ、農地の境をなす畦や広大な大農園であれ、またムラの近くや数千本の苗木が植えられた苗床であれ、可能ならばどんな所でもクワは栽培されている。
杭州には、絹織物を織る手織機が7000台あり、2万8000人が従事している。また、そのうちの360台は国家機関の長の監督下に置かれ、皇帝一族のためだけに織っている


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ほかに。100年前ではあるけれど、もうすでに石炭の利用は一般的だったよう。あちこちで露天掘りされていて、石炭が売買されている様子が描写されている。石炭を使う製塩、塩が変な色がつくみたい、の話とかも出ている。


おもしろいのは、朝鮮やトルコ、ペルシャと比べれば、中国の国民の税負担は軽い、という話。
また、100年前の中国の、民間の学校の話もおもしろかった。
まず児童は『三字経』という道徳の教科書を習うんだそうだ。その次に『百家姓』という、諸家の姓を集めた教科書、『千字文』という漢字の初等教科書、『童蒙訓』、『孝経』、『論語』と進むらしい。