イザベラ・バードの印象

イザベラ・バードは、100年くらい前のイギリスの女性旅行家で、世界中を旅した人。
自分が読んだ、この人の旅行記は、中国の奥地へ行くやつと、ロッキー山脈を踏破する旅行、日本の奥地への旅行、の3つ。
気に入らない土地や人のことを容赦なくこき下ろすし、人づかいも荒そうでなんか嫌な人だな、というのが本を読んだ印象だった。母国のイギリスに対する思い入れが強すぎる感じがするし、まあキリスト教への信心も頑固すぎる感じがした。
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でも、ふしぎなもので、何冊も読んでいくうちに、だんだん慣れてくる。逆に、これだけきつい旅行を連続してやっているのに、へこたれないのは、どういう精神をした人なんだろう、と興味が出てくる。
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確か、ロッキー山脈の旅行記で、現地に移住してきた、貧乏なアメリカ人の一家と、そこの父親をけちょんけちょんにこき下ろしていたのが印象深い。うぬぼれていて、無学で、役立たずで、だらしなくて、云々。
中国奥地紀行でも悪口が炸裂している。こんな感じ。

あの口やかましい女を妻とする<老板>--小柄で恐ろしいほど痩せ、顔も見たことがないほど痩せこけ、骨は浮き上がり、皮膚は黄ばんで黴の生えた羊皮紙のようになり、目は落ち窪み、歯は一本もなく、どんなに寒かろうと、古びた青い木綿の服を着ただけで、風が吹くたびに脇からは痩せ衰えた身体が見えていた--その船長は、ずるがしこく、欲深い人間の典型だった。
気の強い妻の「尻にしかれて」はいたものの、自分が約束したことを平気で破るような男だった。

まだ続くけれど、略。ひどいね。