この道はおかしい

小さなころからの疑問で、なぜ道路はこんなふうに伸びているんだろう?というのが不思議だった。
道路網がなんで、こういうふうになっているのかよくわからなかった。この道は、緩やかにカーブして、東に行ってしまうし、あの道は逆に西につながっている。
何か法則があるわけでもないようだし、勝手気ままに道路は延びていて妙だな、と思っていた。
こんな奇妙な道路網をよく覚えていて、どこへでも自動車を走らせることができる大人はすごいな、とも思った。
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最近になって、自転車と自動車を動かすようになって、その疑問を思い出し、なんとなく原因がわかった。
たぶん、今の道は、かなり古い時代の街道の名残を残していて、子供の頃に奇妙に思った特徴の多くはそこから来ているのではないかと。
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きっかけは一宮市の道を走ったこと。あそこは、真清田神社を中心に道が放射線状に延びて、木曽川渡し船のあったところまでつながっている。
これだけでなく、昔の道は、由緒のある神社やお城に、磁石で吸い付けられるように、自然なカーブを描きながら、つながっていくようだ。
この近辺だと、岐阜県側では、岐阜城もしくは昔の加納城、愛知県側では犬山城、真清田神社が昔の街道網の結節点に当たっていて、今でも多くの道がこれらの城や神社に結びつく形で残っている。
特に、木曽川の渡し場とこれらの神社、城を結ぶ道は、奇妙なカーブを描いていることが多く、よく目立つ。
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旧街道もやはり、磁石のように、ほかの道を吸い付けていく機能があって、まっすぐに南に延びている道がいつの間にか東西にずれて、旧街道に吸収される、という道の展開はよくあること。
岩倉街道、木曾街道、犬山街道、岐阜街道。などなどが、近辺にある街道で、いずれも、お城とお城(犬山城名古屋城とか)か、お城と五街道中山道を結びつけている。