有権者は信頼できる政治家を探している

Japan’s Ruling Party Suffers Setback
ニューヨーク・タイムズの日本の参議院選挙についての記事。内容はまあ、日本のどこかの新聞の記事に載っていそうな話で、そんなに海外メディアだから、という視点の新鮮さはなかった。
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でも、改めて、考えてみたのは、海外の人にとって、日本の政治ってわかりづらいだろうな、どういうふうに説明したら、いちばんわかりやすいだろう?ということ。
あれこれ、考えたけれど、いちばんシンプルな説明は、上のタイトル通り、「日本の有権者は信頼できる政治家/政党を探している」ということだと思う。
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ここ数年をとっても、小泉改革を支持してみたり、郵政の民営化の行き過ぎをとがめてみたり、普天間問題にも日米合意に賛成なのか、反対なのか、民意ってのはよくわからないなあ、と思う。
でも、これは、有権者は、どういう政策が正しいのか、どういう主義を自分が奉じているのかを、しっかり自覚しているという前提に立っているからわからなくなるんではないかと。
日本の平均的な有権者は、たぶん、海外の有権者ほど理屈っぽくなくて、自分の考える「正しい政策、正しい政治的な立場」なんてものをもっていない。
その代わり、どういう人が信頼できるか、どういう集団が信頼できて、政治を任せておけるか、についは、かなりシビアな価値基準を持っている。
その信頼できるかどうかの基準に照らして、小泉首相は合格で、安倍首相と麻生首相は失格で、初期の鳩山首相菅首相も合格だった、と。そういうことじゃないかと。
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傍証としては、地方自治では、いくつかの県で持続的な人気を維持している知事が何人も出ている。
この人は信頼できる、と思えば、日本の有権者も別に飽きっぽくはないし、辛抱強く支えるんじゃないかと。
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なので、この先、日本の政治が安定するかどうか、というのも、どの政策が、とか、マニフェストがどうの、とかはあまり関係なくて、有権者が信頼できると感じられるような政治家を、どこかの政党が輩出できるかどうかによっているんじゃないかと。
そういうふうに思った。