パキスタンとアメリカとアフガン戦争の不思議な話

ぼんやりと追いかけていた海外ニュースと、江川紹子ジャーナルのブログ記事がふしぎな感じでつながったのでメモ。
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こちらとこちらの記事。
Egawa Shoko Journal: 常岡浩介さんへのツイッターインタビューより
U.S. and Pakistan adapt their approach on divisive issue of North Waziristan
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ワシントンポストの記事は、記者による長い潜入取材で、一回読み通しただけ。再読する気力がないので、記憶で書きますが。
要するに、パキスタンアフガニスタンの国境地帯にある、トライバルエリアという無法地帯があって、北部と南部ワジキスタンもその一つ。
南部ワジキスタンは、このあいだ、パキスタンアメリカ軍が攻勢をかけて、タリバンを追い返したところ。
しかし、北部ワジキスタンは、未だにタリバンの勢力下にあって、どうやら、アフガンではなく、ここにタリバンの指導者層がこもっているらしいと。
で、なぜかパキスタンは、南部の侵攻に手を貸したものの、北部への侵攻は乗り気ではないと。ワシントンポストの記者は、その理由を、インドに対する対抗のため、とか、アフガニスタンに、自分の息のかかったタリバンの勢力を残しておきたいため、とか、いろいろ推測している。
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江川さんのブログ記事、ジャーナリストの常岡浩介さんの話によると、

が、先日のバラダル師の拘束で、パキスタンが和平プロセスを妨害している実態が明白になりました。国際的な圧力が必要かと。

バラダル師ってのは、タリバンのナンバー2だったそうで、これを先日、パキスタン軍が逮捕した。これについて、外国のどこかの新聞でアフガニスタンカルザイ大統領も、タリバンとの和平交渉をバラダル師と進めていたのに、それが台無しになったと批判していた。
カルザイ大統領は、アメリカの軍事的成功にケチをつけたいために、そんなことを言うのかなー、ぐらいに思っていたら、そうでもないらしい。
さらにびっくりしたのは、この部分。

オマル師の生存は間違いないみたいです。命令系統も存在していますが、主要な指導層はパキスタン国内にいて、パキスタン諜報機関の強い影響を受けているようです。

オマル師自身、パキスタンにいて、パキスタン諜報機関の監視・保護下にいるようです。そこで幹部会議なども開催されているようです。タリバン側は、自分たちはもはやパキスタンのかいらいではない、と主張していますが…。

え? ってことは、ワシントンポストの推測よりも、ずっとパキスタンが上を行っていて、いつでもオマル師を逮捕できる状態にありながら、対外的には知らんぷりをしているということ?
先日のワジキスタン南部の制圧成功は、いわば、アメリカへの懐柔策、アメリカが撤退しやすいように花を持たせた、みたいな話になるの?
ってことは、アフガニスタンの戦争は、もうほとんど片がついていて、あとは、アメリカとパキスタンの外向的な交渉次第、みたいな状況なのかしら。