家に転がっていたデスノート全12巻。

DEATH NOTE デスノート(1) (ジャンプ・コミックス)

DEATH NOTE デスノート(1) (ジャンプ・コミックス)


読み終わったけれど、複雑な後味。第一印象は、罰当たりな話だなあ、という感じ。最初からじっくり読んでいくと、すごくおもしろいのだけど、複雑。
頭の一部分は、この話にすごいやみつきになって、すごく続きが読みたいと思う。だけど、別の部分は、嫌な話だ、と反射的な嫌悪感をいだいてしまう。何だろうね。読み終わった後、すごく殺伐とした気分になって落ちこんでしまった。
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変な話だけど、将来、この話に影響されて人を殺す人が出てきてもおかしくないなと。そういう意味で、社会的に危険な本になり得るなと思った。
でも、それは物語として間違っているわけではない。むしろ、人間の内面の深いところにある、ある種の欲望みたいなものに形を与え、作品として表現したのだから、作品としてはすごく優れたものだと思う。
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人間の脳の仕組みからして、ある種の薬物や嗜好品が中毒性をもつのと似ている。社会生活を営んでいる以上、デスノートのような話は、構造的に中毒性をもたざるをえない、というか。
いや、どんな人であろうと、社会と関係をもたずに生きている人はいないわけで、さらに、自分よりも大きな社会を相手にして、不満を持たない人もほとんどいない。
社会が自分の思うように動いてくれない、という不満はだれしもがもつ。
そういう、社会生活を送る、ほとんどすべての人にとって、デスノートの設定と話の展開は、「わかっているけれど、やめられない」嗜好性をもつんじゃないかと。
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この話が海外でもうける、というのはよくわかる。一時、中国でデスノート遊びはやってそれが禁止された、というニュースを読んだけれど、自由を制限されがちな社会では特に、こういう話が受けるだろうと思う。
でもなー、なんだかなー、と思って感想がまとまらない。