環境関連の技術、見通し、もろもろ

環境問題関連、温暖化防止関連の技術や、それをもっている会社など。
ちょうどよいまとめがあった。


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質量ともに大転換迫るロードマップは画餅か?
IEA(国際エネルギー機関)が「エネルギー技術展望(ETP)2008」というのを発表したそう。そこにはCO2削減に役立つ技術が19上げられているそうだけど、そのうち供給サイドの技術9つ。

EAがETP2008に盛り込んだ17技術のうち、供給サイドの技術としてはCCS(炭素隔離・貯留)一体型化石燃料発電や原子力発電、洋上・地上風力発電バイオマスガス化複合発電・混合燃焼、太陽光発電など9技術。

CCS(炭素隔離・貯留)一体型化石燃料発電ってのはこれかなあ。最近、ニュースに出ていた、「CO2ゼロ」石炭火電 Jパワーと中国電力、実証試験へ

石炭を一酸化炭素(CO)と水素を主成分とするガスに変える技術と、CO2を地下に封じ込める技術を組み合わせたもので、16年末から実証試験に入る。

リンク先のBPスペシャルECOマネジメントの記事によると、CCS一体型の化石燃料発電はかなり大きな役割を果たすもの、とされているよう。

ETP2008で示された2050年にCO2排出量を半減する「BLUEシナリオ」では、CO2排出削減の約20%が発電部門におけるCCSの導入により達成されると想定している


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【編集長インタビュー】環境関連株運用特集(3)杉山勝彦氏、原発、風力発電、炭素繊維が有望 プライスの高さが大敵(08/07/17)
こちらはぐっと生臭く投資家向き。
上げられている銘柄は、原子力発電関係として、三菱重工業東芝。同じく、関係機器を作っている木村化工機オルガノは水処理で、IHIは圧力容器、日本製鋼所も関連鋼材を生産しているそう。
太陽光発電関係としては、シャープ、京セラ、三菱電機三洋電機
炭素繊維や、海水の淡水化に使われる逆浸透膜などで、東レ、三菱レーヨン、東洋紡績日東電工


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2050年半減へ待ったなし火力発電所のイノベーション
日本の経済産業省が今年3月に発表した「Cool Earth-エネルギー革新技術計画」というものがあるそうで、21の革新的な技術を選定したと。本文中の図表からその21の技術を拾い上げると、

高効率天然ガス火力発電、高効率石炭火力発電、二酸化炭素回収・貯留(CCS)、革新的太陽発電、先進的原子力発電、超伝導高効率送電、
高度道路交通システム、燃料電池自動車プラグインハイブリッド・電気自動車、バイオマスからの輸送用代替燃料製造、
革新的材料・製造・加工技術、革新的製鉄プロセス、省エネ住宅・ビル、次世代高効率照明、定置用燃料電池、超高効率ヒートポンプ、省エネ型情報機器・システム、HEMS/BEMS/地域レベルEMS(初耳、何これ?)、
高性能電力貯蔵、パワーエレクトロニクス、水素製造・輸送・貯蔵。

さらに

その21技術のなかでも最も注目されているのが高効率天然ガス火力発電と高効率石炭火力発電の分野。CCS(炭素隔離・貯留)技術の採用と合わせ、CO2削減への寄与度は12%と高い

東京電力の人の話

「現実的な数値を見ると、現時点では新エネルギーの商用利用は難しい。エネルギーの安定供給のためには、クリーンでCO2排出量の少ないLNGを用いるコンバインドサイクル発電が欠かせない」

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IEAシナリオが導き出した再生可能エネルギーの重要性
IEAの発表したレポート、「エネルギー技術展望(ETP)2008:2050年に向けたシナリオと戦略」について。ここでも言及されている報告書。

ETP2008は、現状並みのCO2対策を継続した場合の「ベースライン・シナリオ」、2050年の世界のCO2排出量を2005年レベルに抑制するための「アクト・シナリオ」、そして2050年のCO2排出量を2005年の半分に削減するための「ブルー・シナリオ」を提示している。

ふむふむ。現状、2005年の世界のCO2排出量は280億トン、現状のままの「ベースラインシナリオ」だと、2050年のCO2排出量は620億トンにのぼるそう。

ETP2008の「ブルー・シナリオ」を選んだ際の試算によれば、省エネの寄与度は削減量全体の36%、再生可能エネルギーが同21%、炭素回収・貯留(CCS)が19%、燃料転換が18%、原子力が6%と、再生可能エネルギーは省エネに次いで、2番目に大きな役割が期待されている。

ブルーシナリオのもとでは、陸上風力は毎年4800万KW、洋上風力は2300万KW増やすそう。一方、太陽光発電の年間導入量は3000万kW。
ちなみにこのニュース、テクノロジー : 日経電子版で導入される世界最大級の太陽光発電所の出力は28000kw。「世界最大級」の太陽光発電所が毎年、3000個新設されるペースだそうって、無理じゃないのかしら。


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ほかに、最近、環境関連の技術でニュースになったものとして
http://www.asahi.com/international/update/0718/TKY200807180045.html

独東部ポツダム近郊にあるケッツィンで、欧州の大陸部分では最大級の二酸化炭素(CO2)の研究用地下貯留施設が稼働を始めた。最終的には6万トンを地下深くに注入し、影響などを調べる。


茶かす固形燃料に 恵庭の実験施設で近畿大が開発

研究チームは今回、大手飲料メーカーから提供を受けた茶かすを百八十度、二百気圧という条件下で固めることで高熱の溶鉱炉にも使える特性を持った固形燃料の試作に成功。愛知県の自動車部品製造会社の大型鋳造炉で実証試験を行い、燃やす石炭コークスの一割強をバイオコークスに代えても問題がないことを確認した。

バイオコークスは植物性のリサイクル燃料で、化石燃料ではないため、燃やしてもCO2排出量としては換算されない。井田准教授らの試算では、一トンの石炭コークスを燃やす時に一割をバイオコークスで代替すると、約0・32トンのCO2削減になるという。


asahi.com(朝日新聞社):藻から軽油を量産へ デンソー、年80トン計画 - 環境

トヨタ自動車グループの部品メーカー、デンソーは、水中で光を浴びると軽油を生成する藻を大量に培養し、13年までに軽油の量産に乗り出す。軽油などを年に計80トン生産する計画で、藻を原料とする軽油の量産は初めて
大量培養されるのは、温泉などに生息する微細な緑藻「シュードコリシスチス」。光合成を通じて、水と二酸化炭素(CO2)を吸収し、バイオディーゼル燃料の元になる中性脂肪軽油を細胞内に蓄積する特徴を持つ。