石油、転換点?

石油価格の高騰について。原油価格の高騰がどこまで続くのか、あるいは、このへんでいったん打ち止めになるのか、について。
6/5の朝、NY原油続落、一時121ドル台というニュースが入りました。
トレンドの転換点を見分けるのは難しいのですが、ひょっとしたらそろそろかも、と思いまして、石油関係のニュースをまとめておきます。
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まずチャート、WTI原油先物
ケンミレチャート
週足だと、まだ立ち止まるっていう感じゃないですね。
2008年の1月に100ドル突破で加速して、さらに今年の4月から上げ足が強まっている。正直、2008年の年頭にダブル天井をつけたとき、このままいったん大きく調整するかな、と思いました。しかし、結局、上昇は止まらず、さらに高値を更新し続けて、今に至る、と。
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インタビュー:新日石社長、原油130ドルなら「石油の自滅」
新日本石油の西尾進路社長のインタビュー。西尾社長の発言から。

「本当に深刻。130ドルは危機的水準といえる。石油燃料が自滅する。とてもではないが、(原子力天然ガス、石炭など)他のエネルギーに勝てなくなる」などと語り、強い危機感を示した

西尾社長は「(現状から)もっと上昇する可能性もあるが、資金が原油市場から流出することもあるかもしれない」と述べ、現状では予測困難との認識を示した。西尾社長は「政府が発表したエネルギー白書では、原油価格は50ドルから60ドルが本来の価格で、30ドルから40ドルの投機資金の影響が上乗せされていると指摘するが、われわれと同じ見方だ」と語った

「2020年頃には、石油を取り巻く環境はかつての石炭のようになるのではないか、という考えを持っている。自動車用燃料の需要は今よりずっと速いスピードで落ちるかもしれない。エネルギーを扱う企業である以上、LNG(液化天然ガス)や石炭、燃料電池太陽光発電など全体のエネルギーの中でどれに取り組むのか、長期的なスパンで変化に対応するための検討を進めている」

インタビューの中に出てくる、政府発表のエネルギー白書はネット上で公開されていて読むことができます。http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2008/index.htm
後段で、石炭から石油へ、さらに石油から別の代替燃料へのエネルギー革命を示唆している部分は興味深い。
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原油と限界 - 債券・株・為替 中年金融マン ぐっちーさんの金持ちまっしぐら
ぐっちーさんの見方。
文中で言われるとおり、ガソリンの価格は見方を変えれば安いと思う。
わざわざ中東から巨大なタンカーで原油を引っ張ってきて、それを精製、さらにタンクローリーで各地まで運ぶ、という手間がある。その手間のことを思えば、レギュラーガソリンが1リットル170円、というのは高くない。
コンビニのペットボトルの清涼飲料水と比べれば、信じられないくらい割安なのかも。

このあたりが原油価格の予測を難しくしているのですが、化学製品などを含めた原油の汎用性という面で見るならそれは金の比ではない、ということになるんでしょうね。つまりいくら以上になったら買わないよ、という均衡点が実に見つけにくいということです

まとめると、まあ先行きはなかなかわかりづらい、ということでしょうか。
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追記。5/30付けのニュース。
米CFTCがエネルギー取引の監視強化、原油市場の調査も実施
こういうふうに当局が規制に乗り出すと、相場の転換点になることが多いような。
どうでしょうか。