リチウムイオン電池

もう一つ同じニュースから気になる部分。リチウムイオン電池の材料。
日産・NECグループ,自動車向けLiイオン2次電池の生産計画を発表《訂正あり》 | 日経 xTECH(クロステック)

同社が供給するLiイオン2次電池の強みとして,(1)正極にMn(マンガン)を使っているため安全性が高いこと,(2)ラミネート構造であるために低コスト化できる可能性があること,(3)日産での車載適合性確認の実績があるために信頼性が高いこと---の3点を挙げた

安全性については,従来のCo(コバルト)などを使う正極材は,結晶構造が層状構造をしているのに対して,Mn系は「スピネル構造」という強固な構造をしていることがポイント

従来のコバルトを使った正極材では、熱暴走を起こして、発火や発煙に至る危険性があると。リチウムイオン電池は、その性質のせいで車への搭載が遅れていた。確か新しいプリウスの発売が来年に先送りされたのも、リチウムイオン電池の安全性の確保が遅れているせいだ、という報道があったはず。


ウィキペディアから。リチウムイオン電池の説明。
リチウムイオン二次電池 - Wikipedia

代表的な構成では、負極に炭素、正極にコバルト酸リチウムなどのリチウム遷移金属酸化物、電解質に炭酸エチレンや炭酸ジエチルなどの有機溶媒+六フッ化リン酸リチウム (LiPF6) といったリチウム塩を使う。しかし一般には、負極、正極、電解質それぞれの材料は、リチウムイオンを移動し、かつ電荷の授受により充放電可能であればよいので、非常に多くの構成をとりうる

エネルギー密度が高いことと、メモリー効果が少ないことがリチウムイオン電池の利点。過充電によって電池が異常に発熱し、発火事故を起こすおそれがあることが欠点。
この欠点を直すためにさまざまな方策がとられている。


http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20080108/144405/
車載用のリチウムイオン電池について。
トヨタ7203)が自車に搭載を予定しているリチウムイオン電池は、基本的には、コバルト酸系のリチウムイオン電池。そのため、危険性を憂慮して、リチウムイオン電池の採用を先送りにすることになった。
電極材料を見直すことで、リチウムイオン電池の安全性を高める技術がアメリカで開発された。その一つが、A123システムズという会社の開発した、正極にオリビン型リン酸鉄を使うリチウムイオン電池GMGM)から発売される、プラグインハイブリッド車にこの電池が搭載される予定、と。


http://wiredvision.jp/news/200707/2007071020.html
WIREDの記事。そのA123システムズのことがでてくる。


http://wiredvision.jp/news/200804/2008041120.html
同じくWIREDの記事。正極の材料の一部を、酸化マンガンに置き換えた、新しいリチウムイオン電池の技術がアメリカの研究所で開発されて、その技術のライセンスが戸田工業(4100)に供与されたと。


三井金属,Liイオン電池用の負極を開発----シリコン系で炭素系と同等のサイクル寿命を実現 | 日経 xTECH(クロステック)
これもリチウムイオン電池の新しい技術。正極ではなく、負極の側に着目。炭素を使った負極ではなく、シリコンを主体とする新しい負極を開発したと。


【AABC】ジーエス・ユアサ,電気自動車用大型セルの特性について講演,鉄系正極の適用結果も報告 | 日経 xTECH(クロステック)
最近の記事。「電動車両に向けたLiイオン2次電池について」と題された、ジーエスユアサ(6674)の講演。
紹介されたのは、正極にコバルト-ニッケル-マンガンを使うリチウムイオン電池(三元系と言うらしい)と、リン酸鉄(LiFePO4)を使うリチウムイオン電池