天地明察

天地明察

天地明察


天地明察、読んだよ。読んでいるうちにどんどん続きが気になって、一気に読んでしまい、読み終わった後に、もう続きがないことを残念に思う、という幸福な読書体験だった。
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適度に謎と魅力的なヒキをちりばめて、ぐいぐいと強い吸引力で物語を展開させていく、という現代的でスマートな歴史小説
語り口もさっぱりとして余裕のある雰囲気で引き込まれる。途中に、たびたび使われる、漢字の用語(天地明察とか)も魅力的だ。
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登場人物のキャラクタが、マンガふうなのは、物語のスピードを上げるための工夫なのかも、と思った。
いちいちもったりと人物描写を細かにやるよりも、わかりやすいキャラクタっぽい設定にしておいて、後で、重くならない程度に内面描写を付け足していく、というのは、迅速にお話を展開させていく上で、欠かせない技術なのかも、と思った。