電気自動車は本当に環境に優しいのか--ドイツの研究から明らかになった課題 - CNET Japan

同研究によると、この100万台の電気自動車によりドイツの交通運輸の分野で削減される二酸化炭素排出量はわずか1%で、ドイツ全体での二酸化炭素排出量の削減は0.1%にとどまるという。Raddatz氏は「大きな数字とはいえない」と述べ、「交通機関からの大量の排出量という問題の解決には役立たない」と付け加える。


いや、自分は専門家でもなんでもないけど、この話はちょっと変だと思うよ。
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はてぶでも、そうかそうか、みたいな流れになっているけど、ちょっと眉につばをつけた方がいい。

旧来の石炭を燃料とする発電所からの電力で稼働するリチウムイオンバッテリを搭載した電気自動車は、1km当たり200gを超える二酸化炭素を排出する可能性があり、これに対して現在の平均的なガソリン車が欧州で排出する量は1km当たり160gであるという

このあたりとか。比較の仕方が妙だ。たとえば、車を走らせるためのガソリンは、どこかから運んでこなければいけないけれど、そのぶんの排出量が加味されているのかな。疑問。
確かに、石炭を燃料とする発電所から来た電気を使えば、CO2の排出量は大きいだろうし、電気自動車が一般化したときの、電力の平準化の問題もあるだろうけど。
電気自動車によって増えた電気の需要をすべて、石炭を使った発電所で補う、なんてあり得ない想定でしょ。極端なシナリオを述べられて、電気自動車の可能性を否定されても現実味がない。
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と思ったら、3ページ目で主張ががらりと変わって、

「電気自動車は低炭素型の未来の移動手段として真剣に検討するべき選択肢だが、成果を上げるには再生可能エネルギーと組み合わせなければならない」

これが最初のページで懐疑的だった、自動車専門家のiviane Raddatz氏の発言。一体、電気自動車を推進する立場なのか、反対の立場なのかよくわからず。
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電気自動車は車の効率だけを見れば、もうぶっちぎりでよいはず。
http://ruca-wanko.blogspot.com/2008/01/co2ev2540.html
清水典之さんのブログに載っているグラフがわかりやすい。これは水素燃料で動く燃料電池車と比較したものだけど。


現在のガソリン自動車というのは、小さなエンジンの中でガソリンを燃やして、そこから熱エネルギーを機械エネルギーに変換して動かしている。それに対して、電気自動車は、大規模な発電所で作った電気を電池に蓄えて、それを直接、電気のままモーターにつなげて、車を動かせる。エンジンと比べると、モータは格段に効率がよい。


さらに、発電所で使う燃料だけど、安井至先生のところに、ちょうどいい記事があった。
韓国は原発増強 市民のための環境学ガイド
日本と韓国が、電力用の一次エネルギーに何を使っているか、その比率を円グラフで示したものが中段にある。石炭の比率は、3割弱くらい。確か、天然ガス:石油:石炭で、CO2の排出量は、3:4:5くらいだったはず。
ざっくり考えても、電気自動車の方が環境にいい、というのは動かないと思う。
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追記。こちらも安井至先生。
水素車終焉 市民のための環境学ガイド
「Well to Tankの効率。すなわち、一次エネルギー採掘段階から燃料製造段階、そして、燃料タンクに納まるまでの効率の検討結果」と、さらにそれを走らせた場合の総合効率が載っている。
これを見る限り、電気自動車は、普通のガソリン車の三倍くらい効率がよいみたい。